滝の不動明王



このお滝の不動明王は、小さな石仏の御身体ではありますが、
遠い昔しより、目に良く効く霊験あらたかなお不動様と言われている。

三十八歳の秋、今私は、滝つぼの中にいる。・・・

滝行で身体を清めているのだ。・・・{ 何のため。}?・・・

今日は手術の日、朝九時より目の手術で、私は手術の時間と同時に護摩を焚く。

今は朝六時、身体を滝の水に打たれて必死で祈る、

「 のうまくさんまんだ。・・・・・・」
何十分間祈ったか分からないが、
なぜか?。周りが急に明るくなってきた?。・・・

{ 見えた?。}・・・・

十センチ程の太さの丸太の杭の上に目玉がある、

その目玉は、なぜかふらふらと動いている、
アーツと私は思わず手をさじ出した。

{ 消えた?。}・・・・

私は、又、必死で祈った。 「のうまくさんまんだ。・・・・」

この滝行は小学四年生の男の子が、友達とふさげあっていて、
目に十センチ程の釘が刺さって手術をしても一生目が見えなくなるかもしれないと、
医者に言われて居たときの事です。

親としてはどんな事をしてでも、失明は免れたいと私の所に来られたのです。

滝行が終わり、護摩の支度をして、時間です延々と祈る・・・・・・・・。

手術の時間は約四時間半程でした。
幸いな事で釘が刺さった所が良かった、
数ミリずれていればおそらく失明していただろうと、お医者様は説明された。

{ 手術は成功です。・・}  良かった。

{ 本当に良かった。・・・・}

合掌