山の心霊 その1



まだ最近の事ですが、私の所にいつも良くお参りをされている方が、電話を掛けて来られて、知り合いの人の息子さんが、5~6年前より頭痛で、大変悩まれているので一度見て欲しいとの事でした。

病院でいくら検査をしても原因といった、原因も分からず、入院はするのですが、治療といった、治療も出来ず、退院する事と成るそうです。

頭が痛むとどうする事も出来ぬほど痛むそうです。

私は出来れば、お母さんか、息子さんに私の所に来てほしいと云ったのですが、息子さんわ、九州の大分に住んでおられるそうで。

お母さんは、七十八歳の高齢で、こちらには来れ無いとの事で、私の方から、お母さんの自宅によせて頂き、お母さんを霊視をして、ご仏壇を、拝ませて頂いていると、物凄い形相をした。

おじぃさんの姿が、見えてきて何やら話しかけて来るのですが。

言葉にならず、さっぱり分からない。

お婆さんにこの事を聞いて見ますと。
大変な事が、分かりました。

話掛けてこられたのは、お婆さんの夫で、十年程前に亡くなったらしい。

そのおじいさんは、山歩きが好きで、暇さえあれば山に分け入り。

岩松や山野草を取ってきては、自宅の庭に植えていたとの事でした。

そんな、元気なおじいさんが体も悪く無いのに、急に、パッタリと山に入ら無くなって、4~5日後の夜に。

お婆さん、わしは、スイカが食べたいと、云ったそうです。

お婆さんは、そんな今頃急に言っても、
「スイカなんてないよ!!。」
「水でも飲んで!!。」と、

大きな茶碗に水を入れて、おじいさんに渡して、
「私は明日早いから早く休むよ。」

と言って、先に床に就いたのです。

朝、お婆さんが起きてきて座敷に行くと、もうおじいさんは。
北の方向を向かって、正座をして頭を畳に付けて、拝んでいたそうです。

でも、お婆さんが
「おじいさん、早いね!!。」と、云ってポンと、身体を触ると、おじいさんの身体はもうすでに、氷の様に冷たくなっていたのです。

つづく